武田百合子さんの「犬が星見た」をちびちびと読んでいる
すぐに読んでしまうのが勿体無くて、
毎日少しづつ楽しんでいる
内容は昭和44年にご主人の泰淳氏とロシアに出かけた時の旅行記
風景の描写より、
ツアー仲間や泰淳氏との会話が面白い
私と夫の会話も、
「今日はう××出た?」と言った、
よそ様には聞かせられないシモに関する話が多い
そんなわけで昨夜も夕食後、
「犬が星見た」の話しをした
旅行の話題から夫が10年ほど前に出かけた海外旅行の話しになった
それが最後の海外旅行なのに、
我が家にはその時夫が撮った写真が一枚もない
写真のデータを夫個人のノートパソコンに入れた翌日、
そのパソコンが夫の元から忽然と消えた
当時、オフィスの関係者が盗んだ可能性も否定できなかったので、
夫はすぐに被害届を出さなかった
だが、無くなって半年ほどして、
警察から連絡があり、
捕らえた犯人の自供から盗みに入られたことが判明した
私がその話題に触れると、
夫は

実はあの時、他にも無くなったものがあるんだ
と打ち明けた
パソコンの他に一体何が・・・と問うと、

きみのお父さんからもらったクルーガーランド金貨と、
きみのおじいさんの形見の金時計
あれもその時から見つからない
と言うではないか
こちらがクルーガーランド金貨

どちらも私の父から譲り受けた大切なモノ
おじいさんの金時計は壊れていたと記憶しているが、
クルーガーランド金貨は、

これは、将来お雪ちゃんが食べるのに困ることがあったら、
換金しなさい
と言って私にくれたもの
夫に預けていたが、
それが盗まれてしまっていたとは・・・
父の思い出の品だっただけに、ショックだった
だが、この10年間、
一度もその金貨の話題にならなかったのは、
換金する必要がなかったからである
亡くなった父に申し訳ない気持ちになったが、
その間、金貨を換金することなく生活することができたことに感謝したい
ただ一つ残念なのは、
夫が盗まれたとわかった時、
すぐに私にそのことを話してくれなかったことだ
なぜ、夫は昨夜話す気持ちになったのだろう
それは、
今なら話しても自分が責められないと思ったからだろう
確かに10年前の私なら、
夫の管理のずさんさを責めただろう
そう思うと、
話せるような関係になって良かったと思う
あの金貨は無くなってしまったが、
父の優しい言葉は記憶に深く刻まれている
その感謝の気持ちをいつまでも忘れずにいたい
今日の夕ごはん

豆腐入り肉団子のおろしポン酢
切り干し大根の炒り煮
白菜キムチ
青菜と舞茸の味噌汁
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