朝、食卓に着くと開口一番に夫が言った

今日は何の日か知ってる?
はい?
今日は仕事の日じゃないか
あと、何かある?
午後から何かあったかしら?
全く思いつかないので、

何か予定あったかしら?
と聞くと、

結婚記念日だよ
ああそうか
わざわざ聞くから何かと思ったら、
結婚記念日か
だからどうした、という気持ちになった
この40年
結婚記念日を祝ったことなど一度もない
いや、むしろ、
この年になると、
つくづく結婚の怖さが身に沁みる
人生の苦労など経験せずに大人になった私
辿ってきた道を振り返ると、
人生の厳しさを思わずにはいられない
もし結婚を決める前の私に会うことができるなら、
「あなたには無理な相手よ、
お止めなさい」と忠告をするだろう
それほどまでに互いに苦労をしたのに、
それから40年間別れずにいたのは奇跡
何度も離婚の危機が訪れたが、
その度に色々助言してくれる人の支えがあって、
ここまで来たと言う感じ
だが、そうして支えてくれた方もこの世を去ったり、
遠くへ行って会う機会もなくなり、
今では夫婦二人の生活
これから先、そんなに長くも生きないだろうという想いと、
ここまで一緒に生活してきたのだから、
あともう少しという思いがある
夫婦互いに干渉しない生活をしているので、
在宅時は食事の時と寝る時以外は別室で生活
夫は無口でほぼ話さない
それが返って心地良い
おしゃべりな男性は苦手なので、
相性は良いのだろう
一緒にいないことがとても心地良い
これが同じ家で40年暮らせた理由かもしれない
最後まで私たちのスタイルを通したい
これからはいちいち結婚記念日を知らせないで欲しい
それが私たち夫婦らしい
教えられると、何かしなくてはならないかとプレッシャーになる
知らせるのだったら、
「結婚記念日だよ、今までありがとう
これからもよろしく」くらいの言葉を添えて伝えて欲しいが、
それを無口な夫に期待するのは無理だろう
結婚して40年も経つと、
夫というより、うちのお爺さんという感じ
お爺さんとお婆さんの静かな暮らし
これが結婚40年を迎えたことのご褒美なのだろう
今日の夕ごはん

冷凍餃子
小松菜と厚揚げの生姜醤油炒め
瓜
長芋としめじと揚げの味噌汁
熱中症対策に、
キッチンで料理する時は、こちらのベストを着ています