私の人生に大きな影響を与えた「五歳の時会った女性」

今日の夕ごはん

豚肉チャーシューと野菜盛り合わせ、もずくときゅうりの黒酢和え、

豆腐とじゃこ山椒、茄子と揚げの味噌汁、柿

圧力鍋で簡単豚肉チャーシューを作った

レシピはコチラ

圧力鍋で作る簡単豚肉チャーシュー→クラシルのサイトにジャンプします

私は25分加圧して作った

サラダ用の人参千切りはコチラで

毎日のように使ってます(^^)

私の人生に大きな影響を与えた「五歳の時会った女性」

自分史〈保育園時代〉の続き

次は、もう一人影響を受けたTくんのお母さんについて記そう

Tくんはお父さんが新聞記者で、

転勤で私の町へ越してきた男の子だった

私の周りにいる田舎のガキ大将らと違い、

いつも清潔な服を来て言葉もきれいな子であった

Tくんの住んでいた家は私の帰り道の途中にあった

ある日、Tくんの誕生日に招かれて、

同い年のいとこYちゃんとTくんの家へ初めて行った

ここからは、昭和30年代の婦人之友の写真をイメージ写真にお借りして紹介しよう

Tくんの家は、

玄関の戸を開けるとすぐに居間が見える小さな家だったが、

室内は明るく、とてもすっきりとして美しかった

部屋の中はケーキの焼ける幸せな香りで満ちていた

Tくんのお母さんは、

子どもたち一人ひとりのカップにジュースを注ぎ、

できたてのケーキを切り分けてくれた

なにもかも、夢のような出来事だった

いつもざわざわとした空気の中で過ごしていた私にとって、

こんな優雅な時間を過ごしたのは初めての経験

私が手作りのケーキを食べたのはこの時が初めてだったと思う

私の母は商売でオーブンを売っていたが、

ケーキを作る暇もなくとうとう一度もケーキを焼くことなく終わった

ともかく私にとってあの日は衝撃的な一日だった

シンプルで清潔な家

静かで落ち着いた空間

ゆっくりと笑顔で子どもの相手をしてくれるお母さん

その日から、私はTくんのお母さんに憧れ、

大人になったら絶対Tくんのお母さんのような女性になる、と決めた

しかし、人生は非情だ

小学校入学のためにランドセルを買ってもらい、

喜び勇んでいる時、YちゃんからTくん一家が引っ越すことを聞いた

その後のTくん一家の消息は不明だった

ところが、それから30年以上経ったある日のこと

婦人之友の愛読者となった私が何気なくその雑誌の記事を見ていた時、

そこにTくんのお母さんらしき女性の写真を見つけて声を上げた

姓名を見るとまさにTなにがしと書いてある

間違いない！

Tくんのお母さんは婦人之友の愛読者だったのだ！！

しかも、Tくんのお母さんは当時、私と同じマチに住んでいた

当時は婦人之友の愛読者の集まりである友の会では、

会員の名簿を配っていたので、それで連絡先を調べた

そして思い切って電話をかけた

懐かしいTくんのお母さんの声がした

私は電話をかけたいきさつを話し、Tくんの消息も聞いた

Tくんは結婚し奥様も某旧帝大に勤務ということだった

当時からTくんは賢かったので、学者になったと聞いて納得した

Tくんのお母さんは、友の会で指導者として活動していた

婦人之友の愛読者同士で繋がったことが嬉しかった

私は幼かった時、お世話になったお礼を申し上げ、

私も同じ友の会に在籍して活動に励んでいることを知らせた

Tくんのお母さんはとても喜んでくださった

あれから更に四半世紀が経過

お母さんは存命なら90代だと思う

私は「私の理想のお母さん」にはなれなかったが、

婦人之友を通して広がった人の輪の中で人生が大きく豊かに変わった

複雑な家庭に育った私であったが、

保育園時代に出会った担任のおんな先生とTくんのお母さんによって、

理想の大人のイメージがはっきりと与えられたことは、

大きな恵みであった